酒蔵

パック酒からの方向転換。15年目を迎える「ちえびじん」の最初のスタートは「ちえびじん 中取り 純米吟醸」(無濾過生原酒)1.8L 300本(3石)からのスタート。

「ちえびじん」は今年の造りでブランド立ち上げ15年目の節目を迎えます。

蔵に戻った当初、弊社の売上の9割以上が経済酒と言われるパック酒で生計を立てており

蔵の設備のほとんどがパック酒を造り、瓶詰する為の設備でした。

蔵の経営はとても厳しかったですが更に追い打ちを掛けパック酒の売上が激減の為に

何とかしなければと立ち上げた焼酎事業が軌道に乗らず二重苦でした(-_-;)

当時の蔵のメイン商品は「豊後の鬼ころし」

私の子供の頃の蔵の記憶は12月の繁忙期にこのパック酒を詰める作業を

いやいやお手伝いしておりました。

最盛期で7000石程出荷していたと思います。

※1石=1.8L×100本

設備は姫飯造り(液化仕込み)と言われる大量生産型のタンクが4本。

パック酒の売上が激減し地元酒も売れない状況で

かすかな希望を持って立ち上げた平仮名「ちえびじん」ブランド

最初のスタートは「ちえびじん 中取り 純米吟醸」無濾過生原酒

1.8L 300本(3石)からのスタートでした。

きっかけは東京新橋にある飲食店様で銘酒「十四代」の

中取り純米吟醸を飲んで感動し同じ「日本酒」の世界にいながら

このような旨い酒を醸す事が出来ないかと思いましたが

夢の又夢の話でした。

大変おこがましい話ですが当時のラベルは型などは個性を出しつつ

文字の構成は当時憧れた「十四代」を少し参考にさせて頂いた部分もあります。

弊社の父(会長)の代も廃業の危機がありパック酒が売れた事で

起死回生となった訳ですがその影響で安酒のイメージからか

瓶商品は普通酒含めてほとんど出荷がありませんでした。

その為、純米吟醸1.8L 300本(3石)を年間売るという事は

とてつもなく大変な事で蔵人含めて不可能だと思っていました。

出来上がった酒を飲んだ時は自分でも少し感動しました。

不安や期待が募る中、初年度数軒の特約店様のお力で無事に完売する事が出来ました。

特約店様には本当に感謝しかありません。

3年目まではこのタイプのラベルで商品をリリースしておりましたが

4年目からは憧れを捨て「ちえびじん」らしさを確立しなければと

当時では珍しい横文字にしてお酒の優しさを表現しようという事になり今のラベルとなりました。

初心を忘れず「ちえびじん 中取り 純米吟醸」のラベルを

机に挟んで仕事しております(笑)

ちなみに「十四代」のラベルも机に挟んでおります。

何年経っても原点を忘れず初年度醸した情熱を忘れないように。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です