9月13日(水)大安から今期の酒造りがスタートしました。
米が蒸されてる匂いや蒸上がった米の匂いが大好きでその匂いで酒造りが始まった~と気持ちが高ぶります。
余談ですが私の母は死ぬ時は蒸米の匂いを嗅ぎながら死にたいと言っています。
縁起でもありませんが母は元気に過ごしています。。
前回のblogでもお伝えしましたが
「ちえびじん」が軌道に乗る前の弊社の出荷は殆どがパック酒でした。
銘柄は「豊後の鬼ころし」。
ありがたい事に全盛期は全国のコンビニ(ローソン)で販売しておりました。
大学時代に近くのコンビニで買い物をしていると弊社の「豊後のころし」を購入されているお客様に出会う事もあり嬉しかった思い出があります。
さて15年前「ちえびじん」ブランドを立ち上げて「これからは美味しい吟醸酒を造るぞ~!!」と意気込んでは見たものの、パック酒を造る設備と吟醸酒などのお酒を造る設備は同じ「日本酒」でも全く違います。
「ちえびじん」立ち上げ当初は経営的にとても厳しく設備投資が出来ませんでしたので米洗いから米を冷ます作業全てが手作業でした。
しかし3年程経った頃から補助金なども活用させて頂き「吟醸酒造り」にとって最適な設備投資をコツコツして参りました。
「米洗機」から始まり「蒸器」
お米の冷ます「放冷機」、「吟醸用仕込みタンク」「麹を作る部屋」、「絞り機」、「商品冷蔵庫」「瓶詰ライン」
などが主にありますが設備投資の大小に関わらずコロナ化中も
毎年設備投資を続けて来ました。理由はもちろん昨年の「ちえびじん」の酒質を超える為。
ライバルは常に去年の「ちえびじん」。
設備投資を毎年続けては来ましたが一番大きな問題は下記写真です。
この「姫飯造り」と呼ばれるタンク。
パック酒を造る為の代表的な設備でこの場所は見せたくない場所。
何故なら昨年まではこのタンクでも仕込みをしていました。ステンレスタンクで衛生的には良かったのですがとにかくデカい。
大きいと緻密な温度管理が出来ません。
大きすぎる上に部屋の中央にあり簡単には出す事が出来ずにいました。
とにかくデカすぎてどうやって入れたのか不思議なのですが
この部屋が製造面でも安全面での一番の課題となっていました。
特約店様や飲食店様が蔵見学に来てもこの部屋は極力見せずに小仕込みタンクが並んでいる部屋や麹室を見て頂き秘密にしていました(笑)
しかし今回思い切って多くの業者様にお力添えを頂きこの大型タンクを処分し
新しい吟醸用タンクを増やす設備投資を実施する事が出来ました。
このタンクを出すのは本当に苦労しましたが業者様のお陰で事故なく撤去する事が出来ました。
新しい吟醸用タンクを入れるにあたりせっかくなので床や足場も綺麗にしようとの計画までは良かったのですが
お願いしていた建設業者の社長から、
「せっかく色々綺麗にするなら汚れた壁が目立つから壁を全て綺麗にしよう」
「屋根や天井も汚れているから逆に目立つ。綺麗にしよう」との話になり予定外の出費(-_-;)
追加工事が増えて7月8月は毎日ドッカンドッカン工事してました。
本当に色々大変でしたが終わってみれば今年は特に温暖化で今回導入した吟醸用タンクが大活躍。
しっかりと冷却しながら吟醸造りが出来ています。
何より部屋全体が綺麗になり、新しくなった部屋もモーツァルトが流れ仕込み中の櫂入れも心穏やかに仕込みが出来るようになりました。
いよいよ今週から酒の絞りが始まり12月から新酒が発売となります。
「新酒」よりも新酒の「酒粕」をお待ちのお客様が多いのですが(笑)
今年はレベルアップした新酒をリリース出来ると思います。
お楽しみに。